3年D群 4/15(水)・20(月)
授業の目標
①呼吸の3つの過程で何が行われているかを説明できる。
重要な語句
呼吸基質、細胞呼吸(呼吸)、発酵、解糖系、クエン酸回路、電子伝達系、ピルビン酸、
酸化的リン酸化
授業の内容
◎呼吸は、呼吸基質を分解する時に得られる化学エネルギーを用いて、ATPを合成する過程である。
※呼吸基質は、炭水化物、脂肪、タンパク質などの有機物である。
→呼吸では、酸素を利用することにより、多くのATPを合成できる。
◎呼吸は、3段階の過程で進行する。
(1)解糖系(細胞質基質で進行)
(反応過程)
グルコース(C6H12O6) → 2ピルビン酸(C3H4O3)+ 2ATP + 4[H]
(反応過程の詳細)
①1分子のグルコースが2分子のピルビン酸に分解される。
※その過程で、水素イオン[H]と電子がNAD+という補酵素に受け渡される。
②その過程で2分子のATPができる。
(備考)
・この過程では酸素は必要ない。
・細胞質基質で進行するため、原核細胞であってもこの過程は進行可能である。
・解糖系と同じ反応である。
(2)クエン酸回路(ミトコンドリアのマトリックスで進行)
(反応過程)
2ピルビン酸(C3H4O3)+ 6H2O → 6CO2 + 2ATP + 20[H]
(反応過程の詳細)
③ピルビン酸がCO2・[H]・電子を放出して、アセチルCoAになる。
④アセチルCoAが次々に反応して[H]や電子を放出していく。
※その過程で、水素イオン[H]と電子がNAD+やFADといった補酵素に渡される。
(備考)
・生じたCO2はミトコンドリアから出て、体外へ排出される。
(3)電子伝達系(ミトコンドリアの内膜で進行)
(反応過程)
10(NADH+[H]) + 2FADH2 + 6O2 → 12H2O + 10NAD+ + 2FAD + 34ATP
(反応過程の詳細)
⑤補酵素と結合していた[H]や電子が放出され、様々な物質を酸化する過程で、エネルギーを取り出す。
⑥このエネルギーを用いて、ADPとリン酸を結合させ、ATPを合成する。
※この⑤⑥の過程を酸化的リン酸化という。
⑦⑥の過程を経た電子は酸素と結合し、[H]とともに、水になる。
(1)~(3)の過程を1つにすると、下のようになる。
グルコース(C6H12O6) + 6O2 + 6H2O → 6CO2 + 12H2O + 38ATP