1MA 1/27(水) 1MB 1/20(水)
授業の目標
①細胞周期を説明できる。
②DNAの半保存的複製の仕組みを説明できる。
重要な語句(P.はベストフィット生物基礎)
細胞周期
…(母)細胞が分裂して(娘)細胞になるまでの細胞内の周期的変化。(間)期と(分裂)期とに
分けられ、これが繰り返される。
鋳型
…(相補)的塩基対の形成による遺伝情報の伝達において、その(元)となる核酸の鎖のこと。
授業の内容
◎細胞は細胞分裂によって増殖する = DNAが全く同じ細胞をつくる
◎分裂前にはDNAの複製が必要になる。
…間期に分裂の準備が行われる。
(1)G1期(DNA合成準備期)…細胞が成長する時期
(2)S期(DNA合成期) …DNAの複製を行う時期
→DNAの複製は以下のようにして行われる。
①DNAの二重らせん構造がほどけて2本のヌクレオチド鎖(これが鋳型鎖となる)になる。
②鋳型鎖の塩基に相補的な塩基を持つヌクレオチドが次々に結合していく。
③ヌクレオチド同士が結合して、新たなヌクレオチド鎖ができる。
…半保存的複製(図32-2)
(3)G2期(分裂準備期) …DNAの複製が完了しているかチェックする時期
…間期を終えると、分裂期(M期)に入っていく。
Back Side Story Vol.32
半保存的複製を明らかにした二人の実験のお話。
DNAに関しては、実に多くの科学者が研究を行ってきた。DNAの複製の仕組みについては、大きく3つの仮説があった。
①保存的複製……元のDNAはそのままで、新しいDNAがつくられる(右図)。
②半保存的複製…元のDNAのそれぞれの1本の鎖を鋳型として新しいDNAがつくられる。
③分散的複製……DNA鎖は部位ごとに分散的に複製され、新しいDNAがつくられる。
授業で扱ったように、現在では②の仮説が正しいとされている。では、この仮説はどのように証明されたのだろうか?
それを明らかにしたのがメセルソンとスタールの実験だった。彼らは大腸菌を用いて下図のような実験を行った。この時、彼らが注目したのはDNAに含まれる窒素の同位体だ。元のDNAは重い窒素15Nでできており、材料として使えるヌクレオチドは全て軽い窒素14Nでできている。もしも、仮説①が正しいのであれば、子世代では、15NのDNAと14NのDNAの2つができなければおかしい。しかし、二人の実験結果は、14N-15NのDNAができることを証明していた。見えなければ、別の方法で見えるようにする。こんなところが、科学の魅力なのかもしれない。