1MA 12/7(月) 1MB 12/9(水)
授業の目標
①体液性免疫の仕組みを説明できる。
②抗原と抗体の関係性を説明できる。
重要な語句(P.はベストフィット生物基礎)
抗原(P.118)
…免疫担当細胞によって(非自己)と認識され、(獲得)免疫を誘導する物質。
抗体(P.119)
…生体内に侵入した(抗原)と(特異的)に結合し、無毒化・排除する物質の総称。
授業の内容
◎体液中に侵入した異物は、免疫担当細胞により排除される。
→①白血球(主に好中球)の食作用により排除 …自然免疫
→②抗原に特異的に反応する抗体によって排除 …(獲得免疫の)体液性免疫
◎体液性免疫は多数の細胞によって成立している。
①樹状細胞が、抗原を食作用で分解
②樹状細胞が抗原の情報を提示(抗原提示)
③ヘルパーT細胞が提示された抗原の情報を認識
※ある抗原の情報を認識できるのは、その抗原専用のヘルパーT細胞だけである。
④B細胞がヘルパーT細胞から分泌されたインターロイキンによって刺激され、活性化される。
※あるヘルパーT細胞のインターロイキンを受容されるのは、専用のB細胞だけである。
⑤B細胞は増殖し、抗体産生細胞に分化する。
⑥抗体産生細胞が大量の抗体を合成し、体液中に放出する。
【抗体】
・免疫グロブリンというタンパク質からなる。
→H鎖・L鎖の2種類のタンパク質
→抗原と結合する先端部分が種類によって異なる
・抗原と特異的に結合する(=抗原抗体反応)。
⑦抗原が抗原抗体反応により、不活性化される。
⑧不活性化された抗原がマクロファージなどの食作用により、排除される。
◎B細胞の一部は、記憶細胞となって体内にとどまる。
→同じ抗原が再び侵入すると、増殖して、多量の抗体を短時間で産生する(=二次応答)。
Back Side Story Vol.27
免疫力アップにはNK細胞の存在が欠かせないのです。
注文すれば、翌日には本が届くという素晴らしい某インターネットサイトがあっても、まだまだ本屋さんに行くことが多い。本当は休日を優雅に図書館で過ごす、という生活を送りたいのだけれど、仕事柄なかなか開館時間に行くことができない。幸い、松本にはT深夜までやっているアルファベットの本屋さんがあるので、時々行っては、雑誌、小説、問題集と一通り棚に目を通していくのが習慣になっている。
その中でもつい足を止めてしまうのが漫画の新刊コーナーだ。定期的に買っている「ちはやふる」「宇宙兄弟」「弱虫ペダル」の新刊をチェックしていると、「はたらく細胞」(清水茜・講談社)という漫画が目に入った。ちょっとホラーっぽい表紙だったので、まあいいや、と1回目はスルーした。再び、訪れた時に何気なく手に取り、裏表紙を見た。そこにあったのは「こーげんはっけんだ!」の文字。え、もしかしてこの本…こんな時、社会人をやっていてよかったと、本当に思う。まだ2巻しか出ていないということもあり、早速大人買い(2冊で大人買いになるかは置いておいて)をして、読んでみた。
帯に「細胞擬人化漫画」とあるように、主人公はヒトの細胞達だ。細胞と言ってもいろいろあるけれど、登場するのは、今の所、免疫担当細胞や血球がメイン。どこまで科学的かな、と思いページをめくっていくと、意外にこれがちゃんと描けている(だいぶ上から目線だけど)。しかも、授業で扱う「体液性免疫」「細胞性免疫」「二次応答」「アレルギー」なんかもエピソードとして出てくる。もしかすると、僕が授業するよりいいかもしれない。
擬人化というのは結構有効な方法だ、と僕は信じている。僕達は何の関連性もない専門用語を1つずつ覚えるのは苦手だけれど、1つのストーリーの中で出てくると意外に覚えられたりする。だから、作者がどういうつもりで連載しているかはわからないけれど、こういう試みは結構重要なんじゃないかと思っている。
ただし、一つだけ文句を言いたい。実は「赤血球」が全編通しての主人公のようになっているのだが、第1話で彼女が酸素を運んでいる場面が出てくる。これ自体は、全く問題ないのだが、その後で二酸化炭素を持ったまま、血管内をウロウロしている場面が出てくる。あまり授業できちんと扱わなかったけれど、二酸化炭素は一時的に赤血球によって運搬されるが、基本的には血しょう中に溶け込んで運搬される。その辺りはまだまだな、と思わされる(また上から目線だけど)。