授業目次
形質は様々なタンパク質から生まれるのだ。
タンパク質の構造はアミノ酸配列で決まるのだ。
DNAの二重らせんは相補性により生まれるのだ。
DNAの塩基配列はmRNAに転写されるのだ。
No.28 形質は様々なタンパク質から生まれるのだ。
|授業の概要|
①形質は、様々な構造や機能を持つタンパク質によってつくられる。
例:ホルモンや抗体、酵素はすべてタンパク質が主成分
からだをつくる構造もタンパク質でできているものが多い。
②遺伝子は、タンパク質をつくるための情報であり、DNA上にある。
|誤解しないで|
①形質には遺伝するものと遺伝しないものがある。
・「もともと筋肉が長距離向きだった」は遺伝する形質
・「筋トレしてムキムキの筋肉になった」は遺伝しない形質
②遺伝子はDNA上にある情報である。
・厳密には「遺伝子≠DNA」である。(DNAにおいて、タンパク質を決めるための情報(塩基配列)が遺伝子)
・DNAとタンパク質は別の物質である。
→DNAはヌクレオチドが鎖状に結合し、さらに2本鎖が二重らせん構造をとった物質。(詳細はNo.30にて)
→タンパク質はアミノ酸が鎖状に結合してできたポリペプチドが立体構造をとり、さらに生理的機能を持った物質。(詳細はNo.29にて)
②生体のタンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類ある。その違いは側鎖である。
|誤解しないで|
①アミノ酸は下図のようにカルボキシル基とアミノ基を持つ物質の総称である。
アミノ酸はペプチド結合によって鎖状にどんどん結合していく。これをポリペプチドという。
ポリペプチド(一次構造)はその一部がαらせんやβシートといった二次構造をとる。さらに折り畳まれた三次構造、そして三次構造が組合わさった四次構造をとる。二次構造以降を立体構造という。どのような立体構造をとるかはアミノ酸の配列によって決まる。
No.30 DNAの二重らせんは相補性により産まれるのだ。
|授業の概要|
①DNAは、リン酸とデオキシリボース(糖)と4種類の塩基からなるヌクレオチドが鎖状に結合したヌクレオチド鎖が二重らせん構造をとる。
②塩基はA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類ある。二重らせん構造の内側でAとT、GとCが相補的に結合している。
③相補性のおかげで、一方のヌクレオチド鎖の塩基配列が決まれば、もう一方も決まる。
|誤解しないで|
①ヌクレオチド鎖は糖の一部とリン酸の一部が結合してできている(下図参照)。
→さらに2本のヌクレオチド鎖が塩基同士で結合している。
②塩基対の組み合わせは、必ずAとT、GとCになる。
③万が一、塩基が1個消失してしまっても、塩基対の片方が残っていれば、復元が可能になる。
No.31 DNAの塩基配列はmRNAに転写されるのだ。
|授業の概要|
①DNAのリーディング鎖の塩基配列は、それと相補的なヌクレオチドを持つmRNAに転写される。
②RNAの塩基はA、U、G、Cの4種類がある。
|誤解しないで|
①DNAの2本のヌクレオチド鎖(コーディング鎖とリーディング鎖)のうち、塩基配列が読み取られるのはリーディング鎖である。
mRNAの塩基配列はコーディング鎖の塩基配列と同じになる。ただし、コーディング鎖のTはUに置き換わる。
・転写は通常核内(=DNAがある場所)で行われる。
・タンパク質の合成(=翻訳)は核外で行われる場合が多いため、完成したmRNAは核外へ出て行く。
②DNAのリーディング鎖とmRNAの塩基は相補的に結合する。
・DNAの塩基配列のうち、遺伝子を含む部分はほんの少しだけである。したがって、必要な部分だけを転写したRNAの短いヌクレオチド鎖が結合し、mRNAの完成形ができる。
No.32 mRNAの塩基配列がアミノ酸配列に翻訳されるのだ。
|授業の概要|
①1個のアミノ酸を指定するためのmRNAの塩基3個の配列をコドンという。
②mRNAのコドンに相補的なアンチコドンを持つtRNAがアミノ酸を結合した状態で、mRNAのコドンと結合する。その後、アミノ酸同士が結合して、ポリペプチドとなる。
|誤解しないで|
①mRNAの塩基配列は3個分(=コドン)で1個のアミノ酸を指定する。
例)UUU→フェニルアラニン
AUG→メチオニン
※コドンは3個の塩基でできているので、全部で64種類ある。
1個目の塩基…A・U・G・Cの4種類
2個目の塩基…A・U・G・Cの4種類
3個目の塩基…A・U・G・Cの4種類
→4×4×4=64種類
②tRNAのアンチコドンは、mRNAのコドンと相補的に結合する。